こんにちは。きよなり社会保険労務士事務所の原田です。

 

夏になると夏季休暇などを利用して旅行に行かれる方もいるかと思いますが、みなさんは自分の有給休暇の日数って把握していますか?

 

顧問先の企業からよく従業員の有給残日数の確認連絡を受けることがあります。

有給残日数を確認してくる、ということは退職する確率が高いので退職前の有給消化かな・・・?とこちらも保険喪失の手続準備を考えます。

 

「有給休暇」とは入社後6ヶ月継続勤務して、そのうち8割の出勤率があれば原則10日の付与があります。

その後は1年経過毎に少しずつ日数が増え最終的には20日が最大となります。

パートなど正社員に比べて労働時間が少ない人は時間に比例して付与される仕組みとなっています。

時効は2年です。

 

先日、退職予定の従業員が有休消化中に転職先の会社で働き始めるのはいいのかどうか、という質問を受けました。

 

結論からいうと法的には違法ではありません。

ただ注意点として

①就業規則の確認

副業禁止やライバル会社など競合会社への転職禁止期間がある等、会社によっては懲戒処分などに該当することもあります。

退職するまで在籍していることに変わりはないので、今いる会社と転職先の会社の両方の就業規則を確認する必要があります。

 

②保険関係

雇用保険は2重加入できません。

社会保険は要件を満たしていれば2重加入は可能ですが、2カ所から社会保険料の徴収があったり、手続き等も煩雑となります。

 

社会保険には退職してから転職先で入る、という場合も退職日から社会保険加入する日までブランクが出る場合、例え1日であっても未加入期間がでてしまうこともあるので注意が必要です。

 

例えば7月30日付で退職→社会保険の喪失日は翌日の7月31日

8月1日から次の会社で社会保険加入した場合

あまり問題なさげに見えますが、社会保険の保険料は喪失日のある月の前月までしか徴収されない仕組みです。

つまり、6月の保険料までしか払っていないことになります。

新しい会社では8月1日から社会保険に加入するので7月分が宙ぶらりんです・・・。

7月分の保険料は会社からは徴収されませんが、国民健康保険や国民年金へ切り替えるなど自分で支払うこととなります。

 

有給消化中に次の職場で働くのであれば、保険の手続きなどで発覚して問題になってしまうこともあるので、今の会社、転職先両方にきちんと相談の上、決めることが大切です。

 

 

本来有給とは労働者のリフレッシュのためのもの。

現状ではまだまだ取得が難しい会社も多いとは思いますが、夏休み等を利用して計画的に取得をおすすめします。