こんにちは。

社会保険労務士法人KESERAの古川です。

 

3月も終わりに近づき暖かい日が増えてきましたね。

新型コロナウィルスに伴う規制も緩和傾向にあり、

今年は例年のように外で食事をしながらお花見を楽しむ人が増えそうですね。

 

先日、昨年12月に成立した改正障害者雇用促進法に関連し、一定要件下での障害者雇用調整金及び

報奨金の減額の詳細を定める同法施行規則改正案などを明らかにしたという記事を目にしました。

 

改正案の内容は、調整金の支給対象者数が10人(年換算で120人)を超える場合、超過人数に対しては、

通常の金額よりも6,000円低い1人当たり23,000円を支給する。

報奨金は、対象者が35人(同420人)を超える場合、同様に通常額より5,000円少ない額を支給する。

また、調整金などの見直しとともに障害者雇用を後押しする助成金を新設する。というものでした。

 

障害者雇用促進法は障害者の職業の安定を図ることを目的とする法律で、

企業は障害者雇用促進法に基づき一定人数の障害者を雇用する義務があります。

雇用すべき人数は全労働者に対する対象障害者である労働者の割合を基準として算出する法定雇用率に基づき決まります。(詳細は厚生労働省のHP参照)

 

現行の法定雇用率は2.3%とされており、常用労働者数43.5人以上の企業が対象となっています。

この法定雇用率を満たさなかった常用労働者数100人超の企業は不足する障害者数に応じて1人につき

月額50,000円の障害者雇用納付金を納付しなければならないこととされています。

また、法定雇用率を満たした企業で常用労働者数100人超の企業は超過1人につき

月額27千円(令和5年度は29千円に引き上げ予定)の調整金が支給されます。

常用労働者数100人以下の企業については障害者を常用労働者の4%、

または6人のうち多い数を超えて雇用している企業は超過1人につき月額21千円の報奨金が支給されます。

 

今回の改正案では法定雇用率に満たない企業から納付金を徴収し、障害者雇用に積極的に取り組んでいる企業に

調整金、報奨金を支給する納付金制度における財源の効果的な運用を図るため、

一定の要件下での調整金、報奨金の減額が盛り込まれています。

さらに法定雇用率の見直しにより令和641日から法定雇用率2.5% 常用労働者数40人以上の企業が対象、

令和871日から法定雇用率2.7%、常用労働者数37.5人以上の企業が対象となります。

 

その他にも障害者の雇用が一般的に難しいとされる業種(建設、道路貨物運送業、医療業など)を対象に

雇用義務の軽減を認める除外率制度について20254月から一律10%引き下げられる予定となりました。

 

法定雇用率の引き上げに伴い、障害者の雇用義務が発生するのか、発生する場合は何人の雇用が必要なのかを確認し、

採用などの雇用計画を進めるなど適切な対応が必要となります。

まずは自社の現状を把握することから始めてみてはいかがでしょうか。