こんにちは、きよなり事務所の宮崎です。
皆さんも一度は耳にしたことがある『労災』。実際には、言葉を知っていてもどういった制度でどんな保険給付を受けられるか知らない方が多いのが現状です。
そこで今回は、身近でありながらよくわからない労災保険の仕組みと実際の対応についてお話したいと思います。
労災保険とは正式名を労働者災害補償保険と言います。
労働者を1人でも雇っている事業主は労災に加入し、保険料はすべて事業主が負担します。
労災には、2種類あり、下記の要件があります。
1.業務中の災害である業務災害
- 業務遂行性:社内もしくは社外で業務をしている、業務中以外でも会社の管理下にあるとき
- 業務起因性:業務中の行為が原因となって発生した労災で、発生した労働災害の原因と業務内容とに因果関係があるかどうかが基準になる
2.通勤途中や勤務先から家に帰宅する際の災害である通勤災害
- 就業に関して行われている通勤もしくは帰宅なのか
- 通常の通勤経路を逸脱する、途中で通勤とは関係ない行為を行って通勤を中断していないか
- 通勤経路が合理的であるか
労災は労働基準監督署によって、上記基準や提出書類、本人や会社へのヒアリングなどをもとに判断されるので認定されないケースもあります。
では、実際に業務災害が発生した場合の対応は・・・
仕事中に災害が起こった場合は、まず労災指定病院に行きます。就業中に災害が起こった場合に、労災保険が使えるかどうかといったことを都度検討している時間はなかなかありません。そのため、とりあえず労災指定病院に行くのがベストです。労災指定病院は、厚生労働省のページから検索することができます。
【参考】厚生労働省:労災保険指定医療機関検索
しかし、突発的に起こった労災で、近くに労災指定病院がないということもあり得ます。この場合は、近くの病院で治療をうけても問題はありません。
労災指定病院で診療を受けた場合は基本的に窓口払いはありませんが、労災指定病院以外で診療を受けた場合には健康保険証は使わずに一旦窓口払いを行った後、かかった医療費の還付を受けることができます。
労災なのに誤って従業員が健康保険証を使ってしまった場合は、本来は負担しなくてもよい医療費を負担することになってしまいます。健康保険よりも手厚い補償を受けられるので、仕事中・通勤中に負った傷病等は必ず労災保険で受けましょう。
いよいよ梅雨も明け、日ごとに日差しが強くなってきました。暑さに負けず頑張りましょう!
厚生労働省ホームページ
・労働災害が発生したとき
・労災補償 |厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/rousai/index.html