こんにちは。社会保険労務士法人KESERAの宮崎です。
新型コロナウイルスが流行してはや3年が経とうとしています。
その影響もありここ近年、働き方が変化しております。
在宅勤務・テレワークなどが普及してきたことに伴い残業時間が減った、残業がなくなったという会社も増えてきているのではないでしょうか。
そんな状況の中、今までは固定残業代を支給していたが、残業がなくなったから固定残業代を縮小、廃止したいとの考えも出てきました。
そこで、固定残業代について考えてみます。
固定残業代とは、決められた残業時間までは残業時間が短くても、毎月一定の金額を支給する仕組みです。決められた時間を超えてしまった場合は別途残業代を支給する必要があります。会社によって、全員に固定残業代を支給している場合もあれば、個別に固定残業代を支払っている場合もあると思います。
どちらにしても、固定残業代の支給を雇用契約書に記載していた場合は支給しなければなりません。そのため、固定残業代を縮小や廃止することは、従業員の不利益になります。
賃金や労働時間など従業員にとって労働条件の変更が不利益になる場合、原則として個別の同意により行わなければなりません。(労働契約法第9条)
また、就業規則に関しても不利益変更については、9条で合意なく変更はできないと定められています。
これらの規定を考えると固定残業代を縮小・廃止することは不利益変更となる能性があるので慎重に行いましょう。不利益変更の必要性を従業員に理解してもらうことが重要です。
固定残業代の縮小・廃止は、長時間労働を抑制することにもつながりますが、同程度の賃金を確保しようと逆に残業時間が増えたり、無くすことでデメリットも出てきます。
世の中の変化に伴い、労使間で意見が対立することは必ず出てきます。
お互いが歩み寄り解決できるようにしていけたらいいですね。