こんにちは。きよなり社会保険労務士事務所の坂戸です。
久しぶりのブログ更新となります。この数ヶ月、社会情勢が目まぐるしく変化する中で、一社会人として、家庭を持つものとして、色々と考えさせられる日々でありました。

 


この4月にも労働・社会保険法令ではたくさんの法改正が行われていますがその中でも雇用保険法の改正点の1つをご紹介したいと思います。

 

雇用保険は企業と労働者の双方が負担する保険料と、国庫負担が主な財源です。失業時に一定期間の所得を補償する失業給付のほか、育児休業給付や、労働者の能力開発に充てる給付などが雇用保険から支出されています。


日本では出産をした後も働き続ける女性が増えたことを背景に、育児休業給付は給付額が増え続けています。18年度は17年度比11%増の5312億円で、一方、失業給付の基本手当は同1%増の5473億円で、19年度には育児休業給付が逆転する見通しです。政府は男性の育休取得も促しており、雇用保険財政に与える影響はさらに膨らむと想定されています。

 


そのような中、今回、雇用保険法の中の「失業等給付」から育児休業給付が独立し、雇用安定事業等(雇用安定事業・能力開発事業)三つを合わせて「失業等給付等」となりました。


なんだかそのネーミングに思わず笑ってしまいましたが、これからはこの三本柱になるようです。

 

 

今まで育児休業給付と言えば、180日までは休業開始時賃金日額×支給日数(支給単位期間ごと)の100分の67を支給、その後は100分の50となっていますが、これはあくまで経過措置としての給付率でした。(法本来の率は100分の40)


今後は経過措置であった給付率の引き上げが恒久化することとなりました。


その背景に育児休業を取得する男性の取得率は6.16%(厚生労働省平成30年度雇用均等基本調査)と低迷しており、政府が目標としていた2020年までに13%には程遠い現状があります。


そのため男性の育児休業を促進するためにさらに給付率の見直しが行われる予定だそうです。

 


また、育児休業を取得しやすい環境を整備した企業を助成する取り組みも進められています。こうした制度を上手く活用しながら、ワークライフバランスを実現させていくことが今の時代には必須だと感じました。