こんにちは、宮﨑です。
11月も終わりが近づき、本格的に寒くなってきました。
急な気温の変化に身体がついていきません…
みなさんはいかがお過ごしでしょうか。
さて、2019年4月から「働き方改革関連法」が順次施行されています。そのなかで労務管理に特に大きな影響を与えているのが「36協定」と「残業時間の上限規制」です。
また、厚生労働省は令和4年度、「協定点検指導員」を配置し長時間労働の是正に向けた監督指導体制の強化を図るようになりました。労働条件などの相談や助言指導体制を充実させ、労働時間の長い自動車運送業、建設業、情報サービス業における勤務環境の改善する方針です。
そこで今回は、36協定と時間外労働の上限規制の内容について整理してみたいと思います。何がどう変わり、労務担当者は何をしなくてはならないのでしょうか。
・36協定
36協定とは正式には「時間外・休日労働に関する協定届」といいます。 労働基準法第36条により、会社は法定労働時間(1日8時間、週40時間)を超える場合、労働組合などと書面による協定を結び労働基準監督署に届け出る必要があります。これを一般的に「36(サブロク)協定」という名称で呼ばれています。
ただ、「36協定」を出したからといっていくらでも労働時間を延長できるかというと、そうではありません。「36協定」においては、時間外労働は原則として年360時間(月45時間)と定められています。
・36協定の『特別条項』
繁忙期などで限度時間を超える労働が必要となる場合には「特別条項付きの36協定」を届け出れば、上記の限度時間を超えた延長時間を設定することができます。
また時間外労働が1か月45時間を超える回数は6回以内と定められており、それ以上になると違反となります。
・時間外労働の上限規制
これまでの労働基準法では、限度時間を超えた時間外労働が発生する可能性がある場合には36協定届の特別条項を届け出れば、明記された範囲内で36協定届に記載された限度時間を超えることが可能でした。つまりこの特別条項に延長時間を記載してさえおけば、労働者に無制限に残業をさせることが可能だったのです。
これをなくすべく、今回大幅に労働基準法が改正され、「時間外労働の上限規制」が初めて法的に定められました。したがってこれまでよりも厳密な労働時間の管理が求められます。違反に対しては罰則も設けられています。
時間外労働については労務管理の面でもコスト面でも、必要最小限にとどめるべきものです。今回、時間外労働に上限規制が入ることによって、過剰な長時間労働は減るかもしれません。しかし業務計画を立てる際に、上限規制ギリギリの時間外労働があることを前提にしていては、あまり意味がありません。あくまでも生産性を向上させることを目的とし、時間外労働については法律の範囲内で、必要最低限に止められるような仕組み作りを進めていきましょう。